舞い散る君の声に

先輩が出入りしてる部署の女の子が
先輩との間を取り持って欲しい、と人に相談していたらしい。
その子自身が先輩と直接仲良くなりたいわけではなく、その子の兄妹のことで、ということだった。
その話を隣の席のおばさんから聞いた。
わたしは笑うだけ。
 " あらまあ!Sさんモテモテだなー " 
って、そう笑う。
それが精一杯だった。
おばさんは言う。


 " レオちゃんはどうなの?
いいコンビだと思うけど。" 

" そうだと良いんですけどね。 "


いつだって、わたしは彼の犬でいたい。
一番でいたい。
一番忠実で、従順な犬でありたい。
彼のことが大好きだから。
誰より彼の役に立ちたい。

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ふたりで仕事をした。
いつぶりだろう。
嬉しかった。
でも、なんだかひどくくたびれてる様子で、ただ心配した。
深夜まで、書類を作ってたとかなんとかだった。

わたしが一番彼のことを知っていたい。
社内で一番、わたしが彼のことを手伝える人になりたい。

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遠いよ、Sさん。